先日、レッスンしている子とトランペットとコルネットの差の話になった。
この2つの楽器、混同している人が実に多い。
なので、この2種類の楽器について書こうと思う。
はっきり言って、この2つの楽器は全くの別物。
それは、管を伸ばしてみるとわかるのだけど、管の形状が全く違う。
トランペットは、マウスピースからずっと同じ太さで、最後にベルに向かって広がる。
コルネットは、マウスピースからベルに向かって穏やか広がっていき、最後にベルに向かって大きく広がる。
また、マウスピースの形状も異なる。
コルネットはトランペットと比べてずっと短い。
さらにコルネットのマウスピースには、ヨーロピアンタイプの短いものと、アメリカンタイプの長いものが存在する。
アメリカンタイプは、トランペットとヨーロピアンタイプの大体中間くらいの長さである。
画像は左から、トランペット、コルネット・アメリカンタイプ、コルネット・ヨーロピアンタイプである。
ヨーロピアンタイプは、Vカップや深いものを使うことが多い。
音色にももちろん差がある。
トランペットははっきりとした音で、ダイナミクスレンジは広い。
その反面、コルネットはまろやかな柔らかい音色で、ダイナミクスレンジは狭い。
ヨーロピアンタイプのマウスピースを使えば、その差はよりはっきりとわかる。
また、コルネットのほうが音が滑らかにつながる。
これも、楽器の構造の影響である。
この構造、音色の差は、分かりやすくいうとトロンボーンとユーフォニアムのような差である。
音色はここまでの差は出ないが、それは構造上の差の比率が小さいからである。
しかし、その差自体はトロンボーンとユーフォニアムの差と同じ方向性である。
逆に、トロンボーンとユーフォニアムは同じマウスピースが使える。
歴史的な観点でもトランペットとコルネットは全く違う。
ピストン構造自体はコルネットが先に取り入れた。
当時、トロンボーンとほぼ同じ長さだったトランペットは、コルネットを真似して取り入れ、管の長さを半分にしたのだ。
そのおかげで、現在のトランペットは昔のトランペットの音色を犠牲にし、半音階を演奏することの出来る機能を手に入れた。
現在のトランペットは、昔のトランペットとコルネットのあいの子のような存在なのである。
名前の語源ももちろん異なる。
トランペットは巻貝の意味である"strombos"から"tromba"(伊)となる。
コルネットは角笛を意味する"corno"(伊)からきている(これは、ホルンの意でもある)。
だから、トランペットとコルネットを混同するのは、全くもっておかしな話なのである。
音色、楽器の構造ともに全く違うのだから。
作曲者は当然それらの楽器の特徴をふまえて作品を作っている。
ベルリオーズなんか分かりやすい。
海外の音楽大学では、コルネット科とトランペット科が別々にある学校もあったと思う。
よく「トランペットとコルネットって同じ音がする」という人がいる。
その人は不幸である。
上手な奏者ほど、その差ははっきりする。
だから、そういう人は上手なトランペットとコルネットを聴いたことがないか、音を聞き分ける能力がないかのどちらかとしか言いようがない。
せめて楽器をやってる人は、知識として知らなくても、全く違う楽器ということは知っていて欲しいものである。
最近のコメント